マイコプラズマ
マイコプラズマとは、細菌の一種であり、細胞壁を持たない「細胞膜」だけで細胞を構成しています。マイコプラズマは、一般的な細菌とは異なり、多くの種類が宿主の細胞内に寄生することができます。
マイコプラズマは、呼吸器感染症や性感染症などを引き起こすことがあります。マイコプラズマ肺炎と呼ばれる呼吸器感染症は、特に小児や若年者に多く見られます。また、マイコプラズマ・ジェニタリウムは、性感染症の原因の1つです。
マイコプラズマの感染経路
マイコプラズマの感染経路は、一般的に空気感染です。つまり、咳やくしゃみ、話すときに飛沫が発生し、それらの飛沫中に含まれるマイコプラズマが空気中に放出されることで、他人に感染する可能性があります。そのため、多くの場合、マイコプラズマ感染症は、集団生活を送る学校や寮、軍隊や刑務所などで、感染が拡大しやすい傾向があります。
また、性行為によって性器や口腔粘膜に感染することもあり、性感染症としてのマイコプラズマ感染も報告されています。さらに、母親から新生児に感染することもあります。
マイコプラズマは、抗生物質に対する耐性があるため、治療に注意が必要です。感染を予防するためには、咳エチケットや手洗い、マスクの着用などの感染対策を徹底し、感染が疑われる場合は、早期に医療機関を受診することが重要です。
マイコプラズマの検査方法
マイコプラズマの検査方法には、主に以下の方法があります。
- PCR法（ポリメラーゼ連鎖反応法）：マイコプラズマのDNAを増幅して検出する方法です。専用の試薬キットが市販されており、検体（たとえば喉の痛みやせきのある人ののどの粘膜）を採取して、PCR法で検査することができます。PCR法は感度が高く、診断に有用な方法です。
- 抗原検査法：マイコプラズマの抗原を検出する方法です。専用の試薬キットが市販されており、鼻や喉の痛みやせきなどの症状がある人からの鼻腔や咽頭分泌物などの検体を用いて検査を行います。PCR法に比べると感度は低く、偽陰性が出ることがありますが、比較的簡便に検査ができるメリットがあります。
- 血清抗体検査：マイコプラズマに感染した際に、免疫系が産生する抗体を検出する方法です。抗体検査は、病気になった後の1～3週間ほど経過した後に行います。感染に対する免疫力が高まってから抗体が検出されるため、早期診断には向いていませんが、過去に感染したかどうかを確認することができます。
これらの検査方法は、医療機関で受けることができます。症状がある場合は、早めに受診することが重要です。
ウレアプラズマ
ウレアプラズマは、細菌の一種で、人間の尿道や子宮頸部、子宮内膜、膣などの粘膜表面に感染することがあります。性的接触によって感染することが多いため、性感染症の一つとされています。
ウレアプラズマに感染すると、尿道炎、膣炎、子宮頸管炎、腹膜炎、子宮内膜炎などの症状が現れることがあります。ただし、感染しても症状がない場合が多いため、自覚症状がないまま長期間感染が続くことがあります。
ウレアプラズマの感染経路
ウレアプラズマの感染経路は、一般的に性行為による性感染症です。主に性器から感染することが多いため、性的接触によってウレアプラズマが感染源となります。ただし、新生児や乳幼児においては、母親からの感染も報告されています。
性感染症としてのウレアプラズマ感染は、男女ともに発症することがありますが、女性の場合、膣内環境が変化することで、尿道炎や膣炎、子宮内膜炎、卵巣炎などの症状が出ることがあります。男性の場合は、尿道炎や前立腺炎、精巣上体炎などの症状が現れることがあります。
また、ウレアプラズマは、性感染症以外にも、赤ちゃんの肺炎や、膀胱炎、尿路感染症、関節炎など、様々な疾患を引き起こす可能性があることが報告されています。
ウレアプラズマ感染を予防するためには、安全な性行為の実践、適切な手洗いや衛生管理、感染症疑いがある場合の早期診断と治療が大切です。
ウレアプラズマの検査方法
ウレアプラズマの検査方法には、主に以下の方法があります。
- PCR法（ポリメラーゼ連鎖反応法）：ウレアプラズマのDNAを増幅して検出する方法です。専用の試薬キットが市販されており、尿などの検体を採取してPCR法で検査することができます。PCR法は感度が高く、診断に有用な方法です。
- 抗原検査法：ウレアプラズマの抗原を検出する方法です。専用の試薬キットが市販されており、尿や生殖器分泌物などの検体を用いて検査を行います。PCR法に比べると感度は低く、偽陰性が出ることがありますが、比較的簡便に検査ができるメリットがあります。
- 血清抗体検査：ウレアプラズマに感染した際に、免疫系が産生する抗体を検出する方法です。抗体検査は、病気になった後の1～3週間ほど経過した後に行います。感染に対する免疫力が高まってから抗体が検出されるため、早期診断には向いていませんが、過去に感染したかどうかを確認することができます。
これらの検査方法は、医療機関で受けることができます。症状がある場合は、早めに受診することが重要です。また、性感染症としてウレアプラズマが疑われる場合は、性感染症検査も行われることがあります。